歴史博物館

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ノッチワイヤー式複式逆洗ろ過器の誕生まで

戦時中において戦車は主にディーゼルエンジンを搭載しており、そのエンジンの故障はろ過技術の未熟さによるところが多かったようです。このことが油ろ過器の開発に携わり、神奈川機器工業(株)創業の布石となりました。原油産出国ではない日本において、油を有効的に利用しなくてはいけない、そして資源の少ない日本に貢献したいとの切なる願いからだったようです。

ろ過器のろ過材の歴史

1.馬のしっぽ

馬のしっぽをぐしゃぐしゃにしてインラインフィルターとして使用していました。目詰まりを起こしたときは、それを取り外して洗浄し再度使用していたようです。

2.金網

金網は破れやすく耐久性に欠ける点がありました。フィルターの逆流洗浄(逆洗)という発想は終戦当時からありましたが、金網の強度の問題から逆洗式フィルターは難しいものと考えられていたようです。単式のろ過器ではフィルターが汚れた場合、油の流れを止めなければフィルターの洗浄を行えなかったため、複式のフィルターが使用されるようになっていたようです。

3.ノッチワイヤーエレメント

堅牢なノッチワイヤーエレメントは、扱い易く耐久性に優れた生涯型のろ過器を完成させ、強度的に様々な問題を解決し逆洗洗浄をも可能にしました。従来の複式のろ過器はエレメントを取り外し、開放洗浄を行わなくてはなりませんでしたが、近年ノッチワイヤーエレメントにより複式逆洗型ろ過器へと発展していきました。複式逆洗型ろ過器はその名の通り、ノッチワイヤーを2筒のケース内に収容し、本体中央のコック操作によって油の流れを中断することなく簡単に逆洗できるようにしたものです。