オイルミストエリミネーター
【オイルミスト分離システム】
オイルミストとは
高速回転機械の冷却や保護のため使われている潤滑油は、運転中における衝突やせん断、さらには高温・高圧の環境下では、油煙となって空気中を浮遊します。これがオイルミストと呼ばれており、その発生は避けることができません。このオイルミストは0.03μm~10μmの極小油粒子で構成されており、通過すると光の屈折により青白色の煙として目視されます。環境の浄化や保護が強く要求される昨今、このオイルミストの処理方法は重大な課題となっており、あらゆる所に油が付着し作業環境の悪化を呼び寄せる劣性因子となるばかりでなく、その処理の誤りは、重大な爆発事故の原因になることも考えられます。
■オイルミスト分離の原理
分離プロセスによって運ばれた油は、オイルミストカートリッジで分離されます。高い親油性のメディアが含まれたこのカートリッジは、差圧を最小限に抑えるとともに、油の除去が最大となるようデザインされています。
油滴の形成と剥離
1. 汚染されたエアー流は緻密な多層構造の分離用メディアで構成されたカートリッジを通過するよう工夫されており、その高親油特性により油滴を確実にキャッチします。
2. メディアに厚みを持たせているため、たとえ繊維間のクリアランスが油滴自身のサイズより大きくても、油滴と接触しやすい構造になっています。
3. 繊維上に付着した油滴は、継続的に分離される油滴と合体し、より大きな油滴に成長します。
4. 最後には重力が油滴と繊維間の吸引力を超えるか、エアーの流速を超えると、油滴は繊維から剥がされ、ドレンされるか、器内にフリーオイルとして蓄積されます。
カートリッジの飽和と均衡
運転中カートリッジは飽和状態または均衡状態に達します。これがエアーの流れから分離される油の量とドレンされる量とが見合う点です。飽和状態は正常な運転の状態であって、機械によりオイルミストの中の剥がれた粒状の汚染物質で、カートリッジが目詰まりするまで正常な分離機能を発揮し続けます。